塗装工事にマッチした作業着などなど
様々なプロ用ツールの展示会「第12回ツールジャパン」が、2022年10月12日~14日幕張メッセで開催された。
ペイントビズでは建築塗装関連のメーカーや、工事関連商品をピックアップ。
「作業着編」と「塗料・塗装編」「塗装道具編」に分け、3回の記事を掲載したい。
ノングラ 最軽量ハーネス
トップバッターは塗装工事にピッタリな、軽量ハーネスを紹介したい。
メーカーは兵庫県三木市に拠点を置く、株式会社基陽(きよお)。
フルハーネス・工具袋・工具のメーカーだ。
三木市は三木金物の生産地として、鉄製品や工具などの生産が有名な地域。
基陽のフルハーネスのラインナップ中、最も軽量なタイプ「ノングラ」が展示されていた。
商品名のキャッチコピーには「ノン・グラビティ・ハーネス」とあり、直訳すると無重力ハーネスと言ったところだ。
爽やか色調や、華やかなカラーリングで色的にも軽量に見える。
実際手に持ったが相当軽い。
同社では「業界最軽量クラス」と銘うつほど。
当然だが、墜落制止用器具の規格適合品。
製品重量:レギュラーサイズ770g ライト:750g
使用可能質量:100kg(作業者の体重+装備品の重量)
価格:オープン
このほかの製品では、アルミ製の軽量フックや軽量小型の巻取式ランヤードなどが展示され、軽量が前面に打ち出されていた。
塗装工事は不規則な姿勢や狭い場所などの作業が多く、ヘビーなフルハーネスが嫌われる傾向がある。
しかし既存のフルハーネスの大多数が硬く重い。
旧来の安全帯の延長で、フルハーネスが出来上がってしまったのだから仕方の無い部分もあるが、そういった要素から今一度原点に返り、生まれた製品だと思う。
「安全には軽さも比例する」と思わせた製品としてピックアップした。
防水ネオプレーングローブ 防水・防寒手袋
塗装作業に手袋は欠かせない。対油手袋は様々なものがあるが、冬場の高圧洗浄で活躍しそうなグローブがある。
ネオプレーン製の防水グローブが展示されていた。
メーカーは知智プラン株式会社(チチプラン)。ネオプレーン関連製品を製造販売している。
因みに「ネオプレーン®」は商標登録されており、同社がその商標も取得している。
それでは展示会で出展されていた製品を紹介したい。
※話しに夢中になって写真を撮り忘れました。(スイマセン)
完全防水・防寒グローブ
因みにこの手袋は全国のワークマンで販売されており、価格も1500円~と非常にリーズナブル。冬季の高圧洗浄では大活躍するはずだ。
更に下の写真、リストガードは要注目。
いつも高圧洗浄のときに、袖口がビショビショなっているのではないだろうか?
防水・防寒グローブと組み合わせ、雨合羽の袖をこのリストガードで塞いでしまえば、手を上げても袖から水の浸入が軽減される。
と、いうか袖口から殆ど水は入ってこなくなる。
ワークマンでは、知智プランの様々なネオプレーングローブが販売されている。
同社の防水・防寒グローブは、水産加工や農作物の洗浄、冷凍倉庫などで利用されており、タフさには定評とのことだ。
気になる方はワークマンを覗いてみてほしい。
CTユニフォーム 女性用作業服
ツールジャパンで女性用の作業着を出品していたカラーテクノ株式会社。
同社は普通に塗装工事や大規模改修などを行う工事会社だ。
母体は塗装工事業から始まり、現在は様々なリフォーム改修なども手掛ける。
その会社が女性用作業着をリリース。
数年前から「塗装女子」という造語が生まれ、最近では塗装工事で女性が活躍することが珍しくなくなった。
同社はそのなかで、カワイイ作業着が無いことに着目。自社で女性用作業着を開発・販売までを手掛ける。
女性らしく各所にリボンがあったりと、女子力高いアクセントがポイント。
サイズのラインナップも女性サイズを意識して作られ、小柄な女性でもジャストフィット。
しかもオシャレだけではなく、表面加工として光触媒コーティングが施されている。
ウエア以外にも、腰袋を販売。
女子向けのアイテムとして活躍は勿論だが、中の工具が落ちないような仕様になっており、流石塗装会社が作った腰袋。機能面も評価したい。
更に今期2022年秋、浅草で路面店の開業を準備中とのこと。オープンの際は足を運んでみたい。
コンバース セーフティシューズ
あのコンバースが、2022年9月作業靴に参入。
コンバースジャパン株式会社
今までナゼ無かったのだろう?
と、首をかしげるほど、コンバースオールスターがセーフティシューズ業界をアップデート。
CPD(コンバース・プロテクティブ・デザイン)という新ラインナップを立ち上げ今季デビュー。
安全面ではJSAA規格を取得し、安全性と耐久性、更にはコンバースならではのデザイン性を兼ね備えたプロテクティブスニーカーラインが誕生した。
つま先部の耐衝撃性や耐圧迫性、表底の剥離抵抗、耐滑性、踵部の衝撃吸収性などの性能に加え、作業において必要となるクッション性や屈曲性など機能を付加したモデル。
今シーズンは、オールスターをベースに、ブラックのシンプルなカラーリングでデザイン。
誰でも知っているデザインなだけに、何故か最新の作業靴とは思えないデジャブな感覚。
新発売のラインナップは6種類。シューレースタイプの他にベルクロタイプがスタイリッシュ。
大規模の現場に履いて行けば注目が集まるものの、朝礼で監督が「オマエそれ安全靴じゃないだろ!」という勘違いの声も聞こえそうだ。
すかさず、JSAAの認証マークを見せれば納得の安全靴で、監督のマウントを取れるかも。
以上でツールジャパン取材の作業着編をお届けした。
その他、空調服などが多く出展されていたが、これらはスタンダードなアイテムになっているためスルー。
今回はペイントビズ独自の視点でピックアップを行った。
しかし最近の作業着はスゲーかっこいいけど、オッサンには着こなせるかどうか、少しジェネレーションギャップを感じてしまうことも度々。
それでも新しいものを見ると欲しくなってしまうの仕方がない。
最近はレギュラーで現場には出ないけど、撮影に行くからあの超軽量ハーネス、マジで欲しい…
©︎PaintBiz By 二見勇治
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。