パーフェクトシリーズブランドリニューアル&出荷式
前回のパーフェクトシリーズ 発売開始10周年 初出荷! Vol.1に引き続き、Vol.2をお届けする。
取材・写真撮影:PBフタミ
今回は、日本ペイントのパーフェクトシリーズ発売開始10周年、初出荷の際に行われた、ブランドリニューアルの概要説明、産学連携高校の発表、パーフェクトシリーズ10周年記念出荷式をお届けしたい。
ページの後半では、パーフェクトシリーズのデザインの印象と、パーフェクトトゥルーマットの塗り板を目視したインプレッションを掲載。
それでは、パーフェクトシリーズのデザインリニューアル説明に進みたい。※登壇者等の敬称を省略
日本ペイント㈱ 今泉 昭彦 取締役副社長 兼 営業本部 本部長
それでは私の方から、今回のパーフェクトシリーズ、ブランドリニューアルについて概要をご説明させていただきます。
先ずは、パーフェクトシリーズの歴史から、簡単にお話しいたします。
パーフェクトシリーズは2010年に下塗り塗料のパーフェクトサーフ、パーフェクトプライマーの発売から始まります。
翌年にはパーフェクトフィラー、そして2012年に上塗り塗料のパーフェクトトップと、立て続けに発売し外壁用のラインナップを確立させました。
従来品よりも作業性や仕上り性に優れ、施工店様視線の製品として全国各地で当社主催セミナーを開催し、パーフェクトシリーズの認知を高めていきます。
その後、「戸建丸ごとパッケージ」をコンセプトに適用部位を拡大させ、特にパーフェクトトップはラジカル制御型塗料というジャンルでご支持をいただき、着実に販売実績を積み重ねてまいりました。
また、2017年からは施工店様向け大型キャンペーンとしてGOOD JOBキャンペーンを開催し、多くのユーザー様への販売促進を行いました。
そして今年9月、パーフェクトトップ発売から10周年を迎えるにあたり、パーフェクトブランドがより多くお客様に認知され、そして愛されるブランドとしてリニューアルを行いました。
今回ブランドのリニューアルにあたり、社内外を問わず多くの方々のご意見をいただきながら、パーフェクトブランドの魅力や課題を整理をいたしました。
そしてパーフェクトシリーズが選ばれ続ける理由を、3つほど抽出いたしました。
1つ目は実績です。
シリーズ累計販売実績を換算すると、一般的な戸建住宅で約60万戸分。言い換えますと、約1億平米。東京ドーム約2500個分の塗装面積を塗布化いたしました。
2つ目は技術です。
ラジカル制御型塗料のパーフェクトトップが誕生して10年。今では塗料グレードの新定番と、なりつつあるラジカル制御型塗料。パーフェクトシリーズでは住まいを守り、より良い塗り替えを実現するための技術を絶えず開発しております。
3つ目は安心です。
いくら塗料の性能が良くても価格が高過ぎてしまっては、お施主様や施工店様のニーズにマッチはしません。
パーフェクトシリーズは優れた品質や機能を、コストパフォーマンスよくご提供することを大切に、安心をお届けしております。
新しいパーフェクトシリーズのブランドキービジュアルです。
カタログの2ページ3ページ目をご覧ください。
ブランドフレーズは、「ツヨク、ウツクシク、スマイヨク。」
お施主様に対してパーフェクトシリーズの提供価値を、韻を踏みながらリズミカルに届ける表現にしております。
ブランドステートメントも新たに設定しておりますので、読み上げさせていただきます。
10年以上にわたりプロから選ばれ続けている
ラジカル制御形塗料のパイオニア「パーフェクトシリーズ」。
すぐれた耐候性で強く、
安心の品質で美しく鮮やかに、
住まいをより良く快適に塗り替えます。
まさに “パーフェクト”に、よみがえる喜びをお届けします。
以上をパーフェクトブランドの根幹として、改めて定義をいたしました。
こちらは、新しいパーフェクトシリーズの製品、意匠缶のイメージです。
新しいデザインのコンセプトはシンプル且つスマート。
今回ブランドのメインカラーを、パーフェクトネイビーに設定し、シリーズとしての統一感を向上させております。
また現行製品のキーカラーを継続使用することで、ユーザー様のイメージを維持し、識別性を高めております。
代表製品であるパーフェクトトップについては、本日この後ここ、栃木工場から初出荷を迎えます。
その他の製品については、現行デザイン缶の在庫がなくなり次第、順次新デザイン缶への切り替えを予定をしております。
最後になりますが、パーフェクトシリーズはこれからもお客様である、お施主様、施工店様、販売店様にその素晴らしさをご理解いただけるようお客様視点に立ち、パーフェクトブランドの魅力を発信してまいります。
引き続き、ご愛顧賜りますよう宜しくお願いを申し上げます。
以上でございます。
大阪府立今宮工科高等学校の生徒達よりのビデオメッセージ
日本ペイント株式会社と産学連携協定進めている、大阪府立今宮工科高等学校の生徒よりビデオメッセージが上映。
司会者概要説明
日本ペイント株式会社は2020年度より、産学連携協定を今宮工科高等学校の皆様と結ばせていただいております。これはSDGsの観点から教育的支援を行うために提携をいたしました。
実社会に近い実践的な学びを共有しようと、生徒が自ら学校生活の問題点を生み出し改善案を企画。それを当社へプレゼンテーションを行っていただき、決済を行うというプロセスを毎年1年かけて行っております。
今宮工科高等学校の生徒の皆様には、当社のマーケティング部の外部企画チームとして、共同で企画・活動を実行しています。
2022年度、今年の産学連携テーマとしては全部で4件が企画されております。
1つ目は、校内庭園の改装ペイント班。校内の庭園をリニューアルするという企画です。
2つ目は、郊外の「萩小の森」という、小学校の跡地をペイントしてリニューアルする班が地域貢献するという企画です。
3番目にそれら2つをSNSで、具体的にはInstagramを使い発信し、若年層の方々に「塗料の魅力を伝える企画」を行う班が活動されています。
それら3つの企画を連携させ、今回パーフェクトシリーズを塗装して頂き、パーフェクトシリーズと今宮工科高等学校とのコラボレーション企画として、生徒達からの申請を頂いており、SNSでの発信や校内展示など、企画を実施する予定です。
生徒の皆さん達から、パーフェクトシリーズのロゴ作成のコンセプトと、各テーマの概要と意気込みを代表者の方々から動画を通じて発表していただきました。
動画 大阪府立今宮工科高等学校デザイン系在校生
ロゴデザインチーム
パーフェクトシリーズのロゴデザインとデザインコンセプトを発表。
校舎ペイントチーム
「中庭をランチスペースに」昼休み誰とでも集まれる空間作り。
校外ペイントチーム
「産学官で地域に貢献を」区役所と相談しながら廃校跡地を塗装。
SNS企画チーム
「私達の活動を拡散」1年間の活動をInstagramで公開。
最後に生徒達の「私達の学校を、大阪を、彩ろう!」と締めくくった。
パーフェクトトップ10周年新デザイン初出荷式
会場を工場敷地の中央、トラック転回エリアに移し、Newデザイン缶の出荷式が行われた。
出荷式では工場の従業員達が集合し整列。日本ペイント㈱大垣敦、取締役常務執行役員兼エーエスペイント㈱代表取締役社長が式辞のあいさつを行う。
新デザインが並ぶと圧巻。日本ペイント1番人気の商品といって良い、パーフェクトトップなだけにカッコ良い!
1パレットには40缶。1缶15kgで600kg。積載最後の1パレットを積込みを全員で見守り、積込んだ後に全員で拍手。
出荷を目前にパーフェクトトップを背景に工場スタッフ全員で記念写真撮影。
役員のみでもう一度、記念写真撮影。
記者発表と座談会の緊張がほぐれ、役員一同が笑顔で出荷式の記念撮影。10年前の記憶が呼び起こされるのかもしれない。
式典フィナーレはトラックの見送り。従業員一同、拍手で新デザイン初出荷を見送る。
以上で、パーフェクトトップ、新デザイン初出荷式が終了した。
パーフェクトシリーズは今年で10年。塗替えのスパンで考えると、やっと一巡した換算だ。しかも建築用塗料は発売してから実際の環境で使用されて、はじめて評価が下される。
10年経ったというよりも、「10年保てた」という考え方に繋がるのではないだろうか?
出ては消え、消えては出てくる新塗料。
その中で10年をキープできた事が、ニッペの自社人気商品に対しての誇りとして、今回の記念式典だったようにも思える。
今後も日本ペイントには、良い商品を生み出して頂き、建築塗装業界と共に「パーフェクト」に発展する事を期待をしたい。
次回は番外編として、【パーフェクトシリーズ発売開始10周年初出荷!工場見学編】を予定。果たしてどんな工場見学になるのか、楽しみに待っていてほしい!
©︎PaintBiz By 二見勇治
新製品インプレッション
最後に、今回の新商品についてのインプレッションを掲載。
パーフェクトシリーズ新デザイン
従来のパッケージデザインに比べ、シンプルでシャープ。
シリーズ全体で統一された缶デザインやニッペの標語、PAINT.WONDERのロゴで使用されているフォントと、PERFECTのフォントとの一体感を感じた。
ラインナップ毎に別配色を装い、各バリエーションの派生として対応できるのは、デザインコンセプトが優秀な証拠。
国内の塗料メーカは殆どの会社が、広告業界用語で言うトンマナ(トーン&マナー)がデタラメだが、流石国内塗料メーカーのリーディングカンパニー。
パッケージデザイン、ロゴ、キャッチコピー、カタログなどの関連に整合性があり、マーケティングとデザイン、企業活動としてのマーケティングとが一体化し、意味のある方向へ向っているが良く分かる。おそらく、グランドデザインの立案が秀逸だからではないだろうか。正にパーフェクトだ。
パーフェクトトゥルーマット
パーフェクトトゥルーマットの塗り板を詳細に見たところ非常に滑らか、「しっとり」とした印象。
底艶はなく、一片の反射も無い。本当にマットだ。インディフレッシュセラはもう少し「ザラっと」していたと思う。
他の塗料を例としてあげるならば、室内用塗料のつや消しに近いと感じた。海外系室内塗料のエッグシェルやマットよりも更に粒状性が細かい雰囲気だ。施工の前に屋外に放置したり、意図的に雨ダレや砂埃などを付け、テスト施工することをお勧めしたい。
テスト施工で皮脂軟化も考慮すれば「室内の水周りでも使用できる塗料かも?」という可能性も感じた。
ドレスアップアート
多彩色仕上げは他社から既に発売されており、シーンとしてはニッペは後発となる。しかし、施工店の中には「ニッペファン」や「ニッペフリーク」という存在がいるため、そういったユーザーにはラインナップの拡充と共に待望の商品だろう。
施主への提案に幅が広がるのは勿論だが、1現場の施工単価(ニッペでは材工価格)を押し上げられる要因になる。施主の要望と、価格とがマッチするならば良い商品ではないだろうか。
©︎PaintBiz By 二見勇治
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。