ペイントビズ(PAINTBIZ)

塗装道具探求 皮スキメーカー Vol.2

2021.03.03

世界的金属加工の町

お待たせしました、塗装道具探求 皮スキメーカー Vol.2

Vol.1に引き続き、皮スキメーカーについてのアレコレをお届けする。

前回お届けした内容は「皮スキが生まれた経緯」に始まり、皮スキメーカーを生産地域ごとに分け掲載をおこなった。

今回も地域で分けて、皮スキを製造しているメーカーをお届けしたい。

世界に名高い国内金属加工の雄、燕三条。
ひとことで「燕三条」というが、新潟県の中央部にある燕市と三条市を合わせた通称だ。

この地は金属加工の発展と共に町が興隆した。歴史は室町時代(1336年-1573年)から始まる。

室町時代の初期、河内国から三条に鋳物師が渡り住み、その後江戸時代初期には江戸から釘鍛冶職人を招き、和釘の製造がはじまった。
そして江戸では火災(大火)による復興特需が起こり、和釘の需要が高まる。当時燕では産業の80%もが、和釘の生産に関わるほどの地域を上げてのビジネスに発展。

その後、三条では鋸、鉈等の製造を行い、刃物を主体に産業が興隆。

元禄年間には近隣に銅山が開鉱し、燕に精練所の建造が行われると、銅器の生産が燕市で開始。それにより洋食器と調理道具生産が発展した。

三条は刃物と金物製品に始まり、有名企業では暖房機器や住宅設備器のコロナ
フライパンや圧力鍋などの金属製台所用品などを製造しているパール金属。またパール金属はアウトドアブランド、キャプテンスタッグでも有名だ。
同じアウトドアメーカーではスノーピーク。こちらも元は金物問屋だ。
また、建築の分野ではコンベックス、レーザー墨出し器、指矩(曲尺)などで有名なシンワ測定器が本社を構えている。

燕市ではスプーンやフォークなどのカトラリー特に有名で、国内シェア95%以上を生産するという、驚異的な寡占率となり金属加工の一大エリア。
有名企業では家電製品のツインバード工業株式会社、建築では屋根の雪止めで有名なスワロー工業株式会社の本社がある。

この燕・三条を合わせ、現在では自動車、機械製品パーツなど生産され、国内トップクラスの金属加工の地として「燕三条」の名が世界に響き渡っている。

少し前置きが長くなったが、ここから燕三条の皮スキメーカーを紹介を行いたい。

最初に紹介するのは株式会社富田刃物。ブランド名は仁作(にさく)

社名:株式会社 富田刃物
ブランド名:仁作(にさく)
住所:新潟県燕市小関623-1
創業:1959年(昭和34年)

富田刃物の皮スキの特徴は、先端形状の豊富さだ。
R刃、U刃など変わった形の刃先がラインナップされている。

また、グリップの殆んどが樹脂性を使用し、凹凸を持たせた形状で軽い握りであってもスッポ抜けることが少ないだろう。
更に刃の表面がフッ素加工の皮スキを多くそろえ、塗料や接着剤の付着を防止できる。
ここが燕三条の現代的な金属加工シンジケートによる技術力ではないだろうか。

フッ素加工の皮スキは、ケレンなどのハードワークには向かないものの、塗装工事では刷毛やローラーの掃除などで大活躍するだろう。

サイト内では仁作の皮スキはDIY用品として分類されている。

そして、同社はナイフも販売しており、日本古来の猟師「マタギ」の刃物を発展させた商品も目を見張る。

中でも刃の形状が板状ではなく、小型のスコップに近いナイフは世界中でベストセラーとなり、ガーデナー必須の作業ツールとして海外での評価が高い。
米国のアマゾンでは3000以上の評価が付けられ、その全てが5つ星という驚くべき商品もある。

画像引用:アマゾンUSA No.650 ステンレス製 レジャーナイフ 波刃型 米国版アマゾン

以上が富田金物の紹介になる。
次のぺージでも、同じ三条市のメーカーを紹介したい。

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二見勇治

著者:二見勇治 Futami Yuji

企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。