こんなの誰が使うの?ペインターズミット
今回からシリーズものとして「塗装道具探求」と題し、様々な塗装道具紹介記事をはじめたい。
先ずはこの写真を見ていただこう。
引用:大塚刷毛株式会社 総合カタログVol.9デジタル版 P145
こちらの写真は大塚刷毛の総合カタログに掲載されている、ペインターズミットなる商品だ。
マルテーのカタログを、端から端まで熟読しているような、「アレ」な職人たちなら記憶にあるはず。
当然、この記事を書いている筆者も同じで、数十年前の20代の頃は大塚刷毛のカタログ最新号が出ると、正座をしながら一ページづつ丹念に読み、次のページを捲るトキメキで胸が張り裂けそうになった。
今でも同じような感覚は、大型ホームセンターのプロコーナーでも沸きあがってくる。
なんともいえない「期待と高揚感」を持ちながら、棚の端から端までを品定めをするアノ感覚だ。
昔、友人が言っていた。
「ホームセンターには男のロマンが売っている」と。
これは名言だ。
そして、塗装の職人にとって大塚刷毛のカタログにも、「夢とロマン」が詰まっている。
少し熱くなり過ぎたので、話しをペインターズミットにもどす。
ペインターズミットは大塚刷毛のカタログで、「変則塗装道具」としてローラーのカテゴリーの最後、ベンダーのジャンルよりも更に後ろに掲載されている。
同じカテゴリーに属しているベンダーは常用しているだろう。平刷毛が入らない隙間は「ベンダー」しかないからだ。
相当昔からある、超定番の塗装道具。
また、ペインターズミットはどこかで見たことがあるとは思うが、車の洗車で使う「洗車ムートン」やワックスがけなどでも似たような製品がある。
大塚刷毛のカタログにも「自動車の洗浄・ワックスがけや、塗油バフがけなど広い用途に。(引用:大塚刷毛)」とある。
しかし、現場でペインターズミットを実際に使ったことのある、または常に活用している職人は少ないのではないだろうか?
今回はレアな塗装道具、「ペインターズミット」を紹介したい。
しかし、こんな道具は誰がどうやって使うのだろうか?
シリーズ「塗装道具探求」の初回でありながら、出だしから飛び道具を掲載する。(飛ばないけど)
YouTubeにペインターズミットの動画があり、この商品の真の実力が分かるだろう。
次のページで動画を紹介したい。
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。