建築塗装関連メーカーの特徴と少しだけ裏話しも
塗料メーカー・副資材メーカーは数あれど、その会社の特徴を知っているだろうか?
メジャーな会社は皆知っているだろう。しかしマイナーだけども、優れた製品を持つ会社・メーカーは国内に大量にある。
ペイントビズでは、各社のカタログを掲載している「PBカタログ」へ、メーカーの特徴を伝えるべく、各社の紹介文掲載を開始。
よくある、会社概要のコピペではなく、1社1社入念に調査し、その会社のキラリと光る特徴をピックアップ!
今まで知らなかった塗料・副資材メーカーを知る事で、建築塗装に対しての知識も広がるはずだ。
只今、五十音順で紹介文を制作中。アイウエオの”オ”まで進んだため、以下に照会文を掲載したい。
この照会文は”PBカタログ”の各社最上部に記載されている内容を転載する。
アイカ工業株式会社
https://www.aica.co.jp/
塗り壁材・外壁材他・塗床材・化粧版・住宅関連用品・接着剤・ブレーキライニングの他、塗料原料・化粧品顔料等、様々な産業用原料の製造、販売を行う。建築塗装業界ではメジャーな製品として、意匠系塗り壁材(左官材料)のジョリパットがある。ジョリパットの知名度の高さ故、意匠外壁全てを「ジョリパット」と指す場合もあるほど。PBカタログでは塗り建材・塗り床材・その他をご紹介。業界通称:アイカ・アイカ工業
掲載ページ:PBカタログ アイカ
株式会社アサヒペン
https://www.asahipen.jp/
国内における家庭用(DIY)塗料のリーディングカンパニー。1940年(昭和15年)大和塗料工業所を創業。その後「旭ペイント」から、1965年(昭和40年)「株式会社アサヒペン」に変更。一般向け塗料のみならず、業務用として使用できる優れた製品もラインナップ。駐車番号の型紙配布なども見逃せない。アサヒペンの”ペン”はペイントの略語。筆記用具メーカではない。過去のTVCMのテーマソングはキダ・タロー作曲。
掲載ページ:PBカタログ アサヒペン
アトミクス株式会社
https://www.atomix.co.jp/
路面標示材・コンクリート補修材・床用塗料・防水材・屋根用塗料・機能材料などに強いメーカー。2001年、DIY塗料部門のアトムハウスペイント(アトムサポート株式会社)を分社化。防水材では水性1液のアトレーヌが有名。水泳プール改修の”プールペイント”も見逃せない。同社のオリジナルキャラクターは「塗料妖精アトみん」。
掲載ページ:PBカタログ アトミクス
イサム塗料株式会社
https://www.isamu.co.jp/
自動車板金・旧車レストア業界では国内塗料企業トップクラスの知名度を誇る。主力の自動車補修用塗料のみならず、工業用・建築用・防水塗料などもラインナップ。建築用塗料では塗床材や下地調整材に強く、特にエポキシ系塗床材が有名。建築用塗料の一部に会員会社のみの責任施工製品も存在。
掲載ページ:PBカタログ イサム塗料
インターナショナルペイント株式会社
http://ip-paint.jp/
1952年の創業以来、水性塗料に特化し、人体や環境などへの有害物質を使用しない塗料開発にいち早く取り組む水性塗料専門メーカー。基礎専用塗料のヨウヘキコート。速乾性に定評のあるIP速乾フロアや、アスファルト・コンクリ面の舗装用塗料、水性でプライマ・さび止め無しで金属面に塗装できる水性メタルコートシリーズなどが有名。昭和時代から玄人受けする塗料をリリース。臭気を気にせず施工できることがポイント。通称:アイピー
掲載ページ:PBカタログ インターナショナルペイント
エーエスペイント株式会社
https://www.aspaint.co.jp/
1948年創業(昭和23年)。前身の朝日商会から朝日ソルベント工業株式会社を経て、1974年(昭和49年)日本ペイント株式会社の系列会社となる。建築塗料ではセメント瓦・陶器瓦に施工できる”Sun瓦シリーズ”や、工場・駐車場等のコンクリート表面強化材の”Sunフロアシリーズ”に力を入れている。工業用塗料では屋外金属用塗料や重機用塗料も見逃せない。
掲載ページ:PBカタログ エーエスペイント
株式会社エココスモ
https://www.eco-cosmo.com/
1999年(平成11年)株式会社民益として創業。2004年(平成16年)株式会社エココスモに社名変更。建築塗料では撥水系の木部・コンクリ塗料が特質。材木用塗料では移動・保管・建築時の雨水への耐候を付与する塗料がラインナップ。工業用塗料では超高温耐熱塗料や金型保護コーティングなど、他社と一線を画する製品に目を見張る。
掲載ページ:PBカタログ エココスモ
AGCコーテック株式会社
https://www.agccoat-tech.co.jp/
AGCのグループ会社。1963年(昭和38)ボンタイル株式会社として創業。「ドイツのボンで生まれた吹き付けタイル」のキャッチコピーを社名に採用。現在の製品名もその名残で、ボンの冠称がつく。創業時に開発した仕様「下塗り・主材塗り・上塗り」がその後、業界標準となり現在につづく。世界トップクラスの技術力、AGCのフッ素を用いた塗料が主力商品。AGCグループ全体で人体に有害なPFOA問題に取り組み、2010年以降の製品にはPFOAの含有はない。一部製品に責任施工でしか取り扱えない塗料もある。
掲載ページ:PBカタログ AGCコーテック
エスケー化研株式会社
https://www.sk-kaken.co.jp/
1955年(昭和30年)創業。建築塗料のみを製造・販売する塗料メーカー。前身の四国化研工業㈱の”四国”を略しSK(エスケー)の冠称を付け、1991年(平成3年)社名を「エスケー化研株式会社」に改称。特徴としてコストパフォーマンスに優れた塗料を販売。そのため事業規模では国内TOP3のポジションでありながら、建築塗料国内シェア1位の実力。業界通称:エスケー(老巧な職人は「四国」と呼ぶ場合もある。)
掲載ページ:PBカタログ エスケー化研
大阪ガスケミカル株式会社
https://www.xyladecor.jp/
Daigas(大阪ガス)グループにおける中核会社の1社。建築用塗料ではキシラデコールをアグゾノーベル(世界第3位の塗料メーカー)より国内販売・製造を許可されているディーラー兼メーカー。キシラデコールは1970年、武田薬品工業がドイツ企業(バイエルの子会社)から発売当初の販売権を取得。その後、様々な買収・合弁を経て、2015年以降に大阪ガスケミカルが現在の製造・販売権を持つ。アグゾノーベルは名称のとおり、ノーベル賞のアルフレッド・ノーベル系列の塗料メーカー。
掲載ページ:PBカタログ 大阪ガスケミカル
大阪塗料工業株式会社
http://www.osaka-toryo.com/index.html
1946年(昭和21年)創業。木部塗料専門メーカー。木部用・木工家具用・自然塗料・天然樹脂塗料・ニス等、1000種類以上をラインナップし、その多くがフォースター認定。NTXウルトラック木匠不燃システムは「国土交通省不燃材料認定(認定番号NM-1833)」を取得。ニューボンデンDXは含浸タイプの防虫防腐防カビ、防蟻、防藻効果、撥水効果で高耐候。プロからの高い評価を獲得。国産自然塗料のユーロも見逃せない。
掲載ページ:PBカタログ 大阪塗料工業
大谷塗料株式会社
https://otanipaint.com/index.html
高級木工塗料専門メーカー。1936年(昭和11年)創業。木工家具から重要文化財まで幅広い採用実績。木部塗料VATON(バトンシリーズ)が主力商品。その他、体育館での摩擦に強いセーフティ‐ワルツ ネオデラック2020FF、水性2液でありながら、溶剤タイプのウレタンに匹敵する、ソワード2液トップクリヤーが目を引く。玄人好みのラインナップに注目。
掲載ページ:PBカタログ 大谷塗料
大塚刷毛製造株式会社
https://www.maru-t.co.jp/
刷毛、ローラーなどの塗装用具を製造・販売し、建築のみならず自動車・製品塗装・DYI塗装用具なども含めた”塗装用品販売の国内最大手商社”。プロ向けブランド名はマルテー。DIY塗装用具ブランドはハンディー・クラウン。1914年(大正3年)大塚鐵五郎商店を新宿区に創業し、100年以上の歴史を誇る。4年に一度、国際展示場で行われる”マルテー祭”は塗装業界の一大イベント。対外的な公表はないが、創業当初に塗料販売店から学んだ敬意の表れとして、塗料を販売しないことをポリシーとしている。業界通称:マルテー(マルティとはいわない)
掲載ページ:PBカタログ 大塚刷毛製造
オキツモ株式会社
https://www.okitsumo.co.jp/
耐熱塗料のトップブランド。1934年(昭和9年)創業。社名のオキツモは、万葉集に詠まれた、三重県名張地域を指した枕詞「沖津藻」に由来。建築用塗料では同社を代表する「耐熱塗料オキツモ」やボイラー・プラント用断熱・耐熱塗料、ロケット発射台塗料など”熱に特化した塗料”がラインナップ。ガスコンロの塗料国内9割以上のシェア。工業用塗料・コーティングにおいても、乾式潤滑皮膜によるフリクションフリーを目指している。
掲載ページ:PBカタログ オキツモ
オスモ&エーデル株式会社
https://osmo-edel.jp/
ドイツのドルトムント北東、ヴァーレンドルフを拠点とする”世界的な木部用自然塗料メーカー、オスモ社”の日本販売代理店。オスモ社の正式名称はOsmo Holz und Color GmbH&Co.(オスモ木材色彩有限合資会社)。1878年ドイツのネハイムで材木店として創業。1964年オスモカラーの製造・販売開始。オスモ&エーデル社により1990年(平成2年)オスモカラーの国内販売を開始。2014年(平成26年)子会社のエーデルジャパン(株)を合併し、オスモ&エーデル(株)に社名変更。オスモカラーは国内での自然塗料トップシェアを誇る。塗料の他にドイツ製建材を販売。
掲載ページ:PBカタログ オスモ&エーデル
以上が現在まで制作したメーカー・会社、15社の紹介となる。
今後順次、追加のメーカー紹介を行いたいので楽しみにしてほしい。
しかし、まだ残りが36社もあるので、いつ終わることやら…
©︎PaintBiz By 二見勇治
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。