ペイントビズ(PAINTBIZ)

(一社)日本塗料工業会2024年P版塗料用標準色(色見本帳)発行を発表

幻に消えたM版色見本の打開策はP版として発行

2022年5月1日、(一社)日本塗料工業会(以後:日塗工)より2024年P版塗料用標準色(色見本)の発行のアナウンスが行われた。

昨年2021年、通称”日塗工色見本M版”は問題が発生し、その打開策が発表された。
先ずは、日塗工色見本M版問題をご存じない方へざっくりと解説する。

2021年10月15日に日塗工から「塗料用標準色2022年M版およびオートペイントカラーズの発行遅延」が発表された。
内容としては、色見本帳の制作会社が「製造できない」との申し出により、製造業者がいなくなり、色見本帳の発行予定が変更されたという内容だ。

ペイントビズでは、塗料用標準色の色見本帳に激震が走る!と題し、2021年10月21日、記事公開している。

今回は、その問題解決として、「2024年P版塗料用標準色(色見本)の発行」が公告された。
つまり一度発行予定のM版がお蔵入りし、P版として発行されるという。

M版色見本帳は幻の色見本となったのだ。

以下、日塗工より発表のP版色見本のお知らせを掲載する。


2022年5月1日 お客様各位

2024年P版塗料用標準色の発行のお知らせ (一社)日本塗料工業会

拝啓 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は格段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、2023年4月に販売を予定しておりました、2023年M版塗料標準色(ポケット版、ワイド版)は、委託製作会社からの製作辞退の申し入れを受け、製作を一時中止しておりましたが、この度、新たな委託製作会社が決まったことに伴い、名称を「2024年P版塗料用標準色」と改めて発行することになりましたことをお知らせいたします。

これまでの間、塗料用標準色をご利用いただいていた皆様には、大変ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。

これから発行いたします2024年P版塗料用標準色(ポケット版、ワイド版)の仕様及び頒布価格等は下記のとおりとなっておりますので、引き続き、日本塗料工業会の塗料用標準色をご利用いただきますようお願い申し上げます。

なお、今回の版名の変更は、「M」は製作を一時中止したため廃番、「N」及び「O」は他の見本帳との混同を避けるための配慮から使用を控えたものです。

敬具


(1)色 票 数 :600色(つや有り600色)

(2)種類とサイズ:ポケット版 携帯に便利なハンディタイプ(215mm×50mm)
(海外向け用として、英文解説仕様もあります)
ワイド 版 ミシン目入り/12枚切り取りタイプ(215mm×50mm)
2分冊(英文解説仕様はありません)

(3)頒布価格:ポケット版 希望小売価格 3,960円 うち消費税額等 360円
ワイド版 希望小売価格 28,930円 うち消費税額等 2,630円

(4)一般頒布予定 :2024年6月

以上


引用:(一社)日本塗料工業会 2024年P版塗料用標準色の発行のお知らせ

以下、塗料販売店に配布されたP版色見本帳のリーフレット。


以上が、日塗工2024年P版塗料用標準色(色見本)の発行の仕様となる。

2021年のL版の次のM版が幻に消え、新たにP版として発行される。
塗装・塗料関係者にとっては、待ち望んでいた朗報だ。しかし、2年先とは気の長いはなし。

今回の製作会社が辞退しないことを祈るばかりだ。

©︎PaintBiz By 二見勇治

二見勇治

著者:二見勇治 Futami Yuji

建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。