イスラエル発の建築塗装ロボット
前回の建築塗装ロボット 海外編(その1)ではシンガポールのTRANS FORMA ROBOTICS(トランス・フォーマ・ロボティクス)のPICTOBOT(ピクトボット)を紹介した。
今回はOKIBO Ltd(オキボ)をピックアップ。
OKIBO社はイスラエルから始まり、現在はドイツを拠点とし、2018年から建設現場用の自律型ロボットを開発している。
イスラエルは中東のシリコンバレーと言われ、数多くのIT系スタートアップ企業が存在し、「イスラエルテック」と称されるほどのIT先進国だ。。
代表的な企業に、ドラッグ&ドロップでホームページが作れるWIX.comや世界規模でWebサイトの分析が可能な、無料のマーケティングツールのSimilarWebなどがある。
そのイスラエルで、オキボ社は誕生した。同社の最初のロボットは、施工の低コスト化を目指し開発した左官ロボットだ。
先ずは動画を見て、そのスムーズな動きを確認してほしい。
この映像は2019年4月5日、OKIBO社が初めて実機をYouTube上に公開した動画だ。
この、2機のロボットは片方は吹き付け、もう片方にはヘラが取り付けられ、ならしを行う。
産業用ロボットアームはドイツのKUKA製を採用。台車自体も自立制御で駆動する。
この2機種は恐らく試作機のようで、最近運用している機体とは別のものだ。
続いて下の動画を紹介する。
この映像は同社のCGによるコンセプトムービー。
3Dスキャンが行われた後、2機がベースプレートに取り付けられ、同時進行で作業を行う様子が映し出されている。
屋外で高所作業車自体を制御するコンセプトは目を見張るが、そもそも新規の外壁の場合、どんな建物であってもほとんどが足場が取り付けられいるのではないだろうか。
しかし昨今、3Dプリントによる建築物が多く開発されているため、同社のコンセプトがそのまま形になる可能性も、近い将来に訪れるだろう。
https://youtu.be/Q9tC1bwX6EM
次のページでは、OKIBO社の3Dスキャンデータを活用した、自立制御の塗装ロボットを紹介する。
完成度が高く、こちらも目を見張る内容だ。
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。