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建築塗装ロボット 海外編(その1)

産業用ロボットと塗装ロボット

前回取り上げた、建築塗装ロボット 国内編の第二段として、今回は”建築塗装ロボット海外偏(その1)”をお届けする。

先ず会社や実機紹介の前に、産業用ロボットについて少々解説したい。

以下、ウィキペディア引用。(下に簡単な解説あり。読み飛ばしてOK)

産業用ロボット

ジョージ・デボルは1954年にロボットの最初の特許を出願し、1961年に登録された。ロボットを最初に生産した最初の会社は1956年にデボルの基本特許を基にデボルとジョセフ・F・エンゲルバーガーによって設立されたユニメーション社だった。 ユニメーション社のロボットは同様にプログラム可能なトランスファーマシーンと呼ばれ、移動せず、ベルトコンベアーの横に設置される形態が定まった。それらは油圧式アクチュエータを使用し、プログラムされた関節座標を備える事で多様な関節は入力工程で保存された動作を運転中に再現する。それらは正確に繰り返される。ユニメーション社は後に川崎重工とイギリスのGKN社に日本とイギリスのユニメートの製造権を与えた。ユニメーション社の競争相手は一時期、オハイオ州のCincinnati Milacronのみだった。1970年代末に複数の日本の大企業が類似の産業用ロボットの生産を開始した事により状況は一変した。
~中略~
産業用ロボットは欧州において1973年にABBロボティックスKUKAの両社により速やかに市場を開拓された。ABBロボティックス(正確にはアセア)はIRB6を世界初の商業的に入手可能な完全電気式マイコン制御ロボットとして発売した。最初の2台のIRB6ロボットはスウェーデンのMagnusson社に販売され切削と研磨管の曲げのために1974年1月に製造工程に組み込まれた。同様に1973年KUKAロボティックスはFAMULUSとして知られ、同様に電気機械式駆動の6軸を有する関節ロボットの一つでもある最初のロボットを製造した。[3][4]

ロボットへの関心は1970年代末に高まり、ゼネラル・エレクトリック(GE)、ゼネラルモーターズ(日本のファナックとの合弁事業GMファナック ロボティックス)やフランスの創業間もないAutomatix(市販品では初のマシンビジョン搭載したロボットを開発)と アデプト テクノロジーを含む多くのアメリカの企業が進出した。1984年にロボットブームは最高潮に達し、ユニメーション社はウェスティングハウスによって107百万ドルで買収された。ウェスティングハウスはユニメーション社を1988年に現在でも関節ロボットを産業とクリーンルーム用に製造するフランスのStäubli Faverges SCAへ売却してその後、さらに2004年末にロバート・ボッシュのロボット部門を買収した。
引用:ウィキペディア産業用ロボット

長いので三行に要約。

アメリカで生まれ、川崎重工が日本での製造・販売権を得た。
70年代から様々な会社が、独自の産業用ロボットを製造。
富士通からスピンアウトしたファナックが躍進。シェア四強入り。

70年代~80年代に広まった産業用ロボットの登場は、間違いなく産業革命だ。

我々、建築塗装業界ではロボットはまだ普及していないものの、自動車・工業製品の塗装では産業用ロボットは既にメジャーな存在だ。
代表的な”塗装ロボットメーカー”は、アネスト岩田川崎重工業タクボエンジニアリングファナック安川電機、、KUKAABB(五十音順)などがある。

上記の会社の内、川崎重工業、ファナック、安川電機、ABB、KUKAは世界の産業用ロボットの5強として君臨する。

画像引用:塗装用ロボット アネスト岩田APRシリーズ

では、これだけ工業・自動車塗装の産業用ロボットのが長年活躍しているのに、なぜ建築用の塗装ロボットが無かったのだろう。

望まれていなかった(需要が無かった)、といえばそれまでだが、恐らく技術的な面で解決が出来なかったのではないだろうか。
動力源・バッテリーの問題、空間を機械的に認識する問題、空間認識の入力信号を制御する問題などがある。

しかし、技術進歩によってこれらが解決され、少しずつではあるが建築塗装業界でも塗装ロボットが登場してきた。

次のページでは、本題の海外の建築塗装ロボットを紹介をしたい。
その完成度の高さに驚くはずだ。

次のページ完成度高すぎ!塗装ロボットのピクトボット

二見勇治

著者:二見勇治 Futami Yuji

建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。