ペイントビズ(PAINTBIZ)

《独占スクープ》大塚刷毛が直販ECサイト開始

だから最初に連絡が来たのか?

2021年5月中旬、某メーカーがネット販売の価格について、塗料小売業者へアプローチをしている。
しかも1社ではなく、複数の会社が同時期に最終販売価格へ口出しをしている現状だ

別にカルテルや談合で価格交渉をしているのではなく、PBササキ曰く、売れ行きが低迷すると多くのメーカーが行う施策らしい。
しかもそういった事がタイミング的に重なるという。

国内では商品を製造・販売するメーカーは、商品を問屋や小売へ販売する際「この商品は、●●円で販売」とか「値引き禁止」といった事を伝える事は法律で禁止されている。
法律用語では「再販売価格維持行為の禁止(独占禁止法2条9項4号、同法19条)」となり、公正な競争を守る法律の独占禁止法がこれを規制している。

ネットの塗料価格が競争によって下がると、リアルの実売価格も下がり、その結果問屋や販売店は、「世間の実売価格が下がっているから、もっと仕入れ値を下げてくれ」とメーカーを突き上げる。
更にそれが常態化してしまうと製造事態が困難になり販売すらも困窮する。

その対抗策として、メーカーはネット販売業者へ「●●の商品は●●円以上で売ってくれ」という。
メーカーや問屋に怒られるかもしれないが、そもそも日本の古くから続く商習慣は「独禁法の抵触ギリギリというかアウト」、単に法に裁かれていないだけだ。

問屋や小売用語業界の用語では帳合といい、一社噛ますだけで商品は中継しないものの、支払いの中継だけを行う。
これは建築業法では下請け業法で禁止されている、丸投げと全く同じ構造にあたる。

つまり、「あなたには直接売りませんよ、取引をしているところだけ売りますよ~。」となり、販売価格のコントロールに繋がる恐れから独禁法に抵触する。

しかし、国内の問屋は機能として、緩衝材的な柔軟性(商形態でも同じ)と地域性、物流機能を持ち、北米や中国のディーラーとは全く違う。
この部分が国内流通の難しさだ。

もしかすると、大塚刷毛のECサイト化は「販売価格のコントロール」なんていう、ヤボな事は言わずとも、自社の法令遵守を貫いているのではないだろうか?

そして、我らペイントビズでは工事価格の低迷、それに伴う塗料価格の下落から抜け出す方策を考え、その施策をサイト上へ展開し実装を進めている。
読者の方は何の事だか分からないかもしれないが、いずれ分かるときが来る。もう少し待っていて欲しい。

既に何社か、また何団体かへは「ペイントビズの哲学」を説明した。

あれっ?大塚刷毛へもそう言えば、「ペイントビズの指針」を話していたような…

しかも、ペイントビズのサイトが本格稼動する前の、2020年11月中旬、大塚刷毛さんへペイントビズとしてのご挨拶の折の出来事だ。
タイミング的にその後からECサイトを企画すれば今の時期か?

あら~、もしやペイントビズが大塚刷毛のEC化を後押ししていたのか?
むむむ・・・「だからPBササキに最初に連絡が来たのか?
しかも、そのとき同席していた「大塚刷毛システム部の某氏」が今回のサイト責任者になっているじゃないか!

あーヤバイ。
これ、記事にしても大丈夫なんだろうか?自分で自分の首を絞めていない?
若しかしたら、ペイントビズは全国の塗料販売店を敵に回しているかもしれない・・・

塗料販売店の皆さん、釈明させてください!!!
ペイントビズは決して塗料販売店の売り上げを下げる事を考えていません。
むしろ販売店の売り上げを上げる方法を計画しています(汗)

PBカタログから新たな集客導線を創ろうとしているのであって、大塚さんのEC化を後押ししたんじゃありません。

そもそも、ペイントビズは超弱小ですし、大塚刷毛さんは塗装業界の巨人ですから、我々のような新参者のチンピラは相手にしていないはず。

でも、ペイントビズとして言いましたよ、サービス開始のご挨拶のときに、
「塗装工事の価格は人が作り上げるモノですから、高くて当たり前だ!とは大声では言えなくても、ある目安を出せば塗装工事業界の低価格化は変えられるかもしれない!」って。

つまり、大塚刷毛は法令に則り、自社商品価格をコントロールしない

直販のサイトは、単に自分達が売りたい価格で販売しているだけ。
そこに何の問題があるのだろうか?

でも、超クールな仕事をしている。

ある塗料メーカーが言っていた。
「自社販売で定価で売っていたんです。面白いことに一定数定価で買うお客さんがいたんですヨ。でも面倒臭くなっちゃって、やっぱり販売店から買ってもらうほうが効率がいい。だから自社通販は止めました。」
こんな事例もあるから、何が起こるかは分からない。

何はともあれ、長い社歴をもつ大塚刷毛が新しい試みを行っているのは、賞賛に値する。

社歴は長くなればなるほど、組織の保守化が進み新領域へのチャレンジができないからだ。
それであっても大塚刷毛は挑戦している。

いままで、大塚刷毛が生み出した仕事で、塗装工事にはじまり、自分達の仕事が成り立っていた。
これは塗料・塗装を生業としている、日本の塗装業界全員だ。

日本は今やデフレ経済真っ只中。
失われた30年は安売りへと加速し、日本中の人々のマインドを変えた。
価格が安いことが正義であり、価格が高いことを悪とする世の中に変貌してしまったのだ。

政府が意図的に高給取りや経営者だけを優遇する政策には、色んな隙間から突破する方法があり、それをペイントビズはホワイトハックする。

塗料販売価格低迷の責任を小売に押し付けようとしている会社は、他者に責任転嫁しないで自分達でも解決する方法を探したらいいじゃん。
囲い込み戦略をしたって、国内塗装全体の売り上げは変わらないし、パイの奪い合いは消耗戦でしょ。
人から奪うんじゃなく、グローバルしなくとも他の方法はまだまだ沢山ある。

大塚刷毛製造株式会社の新しい施策、マルテーPulsが公開されたとき、その後に塗装業界には何が起こるのだろうか。

ペイントビズでは今後の大塚刷毛の動向に注目し、それを読者へ届け、建築塗装を盛り上げる責務がある。

「国内塗装業界の巨人」大塚刷毛は新たなフェーズへ舵を切った。

方向を示したのか、そうでないかは誰にもわからない。
若しかしたら、塗装業界の副資材供給は全部「マルテーPuls」になるかもしれない。

準備は良いか?ホラ、はじまってるぞ。

©︎PaintBiz By 二見勇治

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二見勇治

著者:二見勇治 Futami Yuji

建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。