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ロールスロイスの上で天井塗装?自動車養生を考える

2021.01.28

自動車養生カバーの必要性

足場板の上でバランスを・・・
崩す事無く、普通に塗れた。面白い展開ではなく普通の作業。

何度か脚立を移動し、いつも通りに天井を塗った。まー当たり前の事だ。

しかし、塗装工事必須の「自動車カバー」。実は正式名称がきまっていない。

ざっと商品名を列挙すると、「自動車カバー」、「自動車養生カバー」、「カーカバー」。
参考に大塚刷毛のカタログを調べてみよう。

引用:大塚刷毛製造株式会社 総合カタログデジタル版Vol.9 165P 自動車カバー

大塚刷毛のカタログ表記を参考に、名称を抜き出してみた。

1、自動車カバー
2、カーカバー
3、ディスポカバー
4、不織布カーカバー

大きさや、材質、車輌のタイプなども含めると、もう何だ分らなくなる。
大塚のカタログ以外にも、世の中では「自動車養生カバー」などとも製品の名称として使用されている。

この件に関しては、面倒くさいので名称を一元化できないものだろうか?

次に、材質の違いについても解説したい。素材にはビニール製と不織布の物がある。
昔はビニール製しかなかったが、不織布のものが最近のスタンダードだ。

また素材の違いによる、メリット・デメリットがあるためそちらについても解説したい。

ビニール製のメリット

・飛散した塗料が浸透しない。

ビニール製のデメリット

・破れやすい。
・風によって取れてしまう。
・濡れた車体に被せた後、熱によって張り付く危険がある。

不織布製のメリット

・破れにくい。
・風を通し取れにくい。
・濡れた車体でも張り付きにくい。

不織布製のデメリット

・大量に塗料をこぼした場合、塗料が浸透する。

これらを考慮すると、使い分けが賢い選択だ。例えば、次のような使い分けが最適だろう。

・現場から離れている車輌には、「不織布」

理由1:目が届きにくいため、風による剥がれが防止できる。
理由2:距離があれば、大量の塗料が落下はせず、飛沫のみになるため不織布でも車体に塗料が付着しない。

・現場直下の車輌には、「ビニール製」

理由1:現場直下は風が入りにくく、剥がれたとしても気が付く。
理由2:大量の塗料が落下しても浸透しない。

最後に、自動車カバー「あるある」を少しご紹介。

1、新品はその日に破れる。
2、少し離れた駐車場の数台にカバーしても、気がついたら全部剥がれている。
3、裏表を気遣って使用しても、他の職人が反対にして使っている。
4、隣の駐車場に無断でカバーをかけたら、烈火のごとく文句を言われる。
5、コンビニの袋に入れていたら、剥がした養生と間違えて捨てる。

これらについては、色々と改善できる部分もあるが、現場近隣の車輌については、トラブルの原因になる可能性が高いため、声をかけたり、「車輌に工事案内の断り書き」をワイパーに挟むなどの対策が必要だろう。
また、自動車カバーによって擦り傷が付くとも言われているため、車輌についての配慮は慎重に作業する事も大事だ。

さて、今回は「自動車養生カバー」について取り上げたが、流石に超高級車の真上で塗装する「バカ」も少ないはずだ。

しかし・・・
筆者はもう一台、今回よりも更に「超高級スーパーカー」の真上でも塗装をした事がある。その車も車高が低く作業がしやすかった。

この件については、別の記事で紹介を行いたい。

©︎PaintBiz By 二見勇治

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二見勇治

著者:二見勇治 Futami Yuji

建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。