塗装会社の経営破綻とクラブチーム
塗装・塗料業界からのプロサッカースポンサーは珍しくはない。
塗料系メーカーでは、関ペがプレミアの名門、マンチェスター・ユナイテッドとグローバルパートナーシップ契約をしていたことがある。
但しこれは、一時的な販促としてのコラボ企画だ。
良いのか、悪いのかは分らないが、町場の職人までもが「関ペ&マンUのダブルネームフリース」を着用し塗装工事をしていた。
そして、恐らく建築塗装で唯一だと思うのだが、Jリーグのクラブチームを持っていた塗装会社があった。
それは大分トリニータを運営していたペイントハウスだ。
株式会社大分フットボールクラブ設立の1999年以来、ペイントハウスが筆頭株主として経営に参画していた。
皆さまご存知の通りペイントハウスは倒産したのだが、同社の経営難によってトリニータの運営も翻弄される。
(ペイントハウスの顛末についても、今後記事化を予定。)
更にその後、トリニータのユニフォームスポンサーとして。ミュージシャンの小室哲哉が役員を務めるイベント会社「トライバルキックス」と契約するものの、スポンサー料の未払いから例の詐欺事件に至り、トリニータは不運に見舞われ続けた。
事の騒動は書籍でも取り上げられているため、興味のある方は一読するのも良いかもしれない。
発行:集英社 著者:木村 元彦 書籍名:社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年
(著者の木村元彦氏は『オシムの言葉』で2005年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞)
さて、今回はアネスト岩田のマリノスへのパートナー契約から塗装業界に至る、Jリーグへのスポンサードにまつわる様々な事柄を取りあげた。
そもそも建築塗装とは営利目的の事業活動であるから、必ずこういった事に多かれ少なかれ直面する。
そしてプロスポーツと同じように、「応援してくれる人達」がいるからこそ、塗装工事も成立する。だからこそ真摯に取り組む事が必然になってくるのだ。
アネスト岩田のスポンサードが地域社会を支えることを祈り、文を閉めさせていただく。
©︎PaintBiz By 二見勇治
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。