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塗装の現場とトイレとうんこ問題

2020.11.08

大規模と新築塗装のトイレ

最近の現場では、女性職人の進出や技能研修生による外国人の増加によって、今までのオッサンや野郎連中だけではない状況へ建築業界が進んでいる。

我々、建築塗装でも同じように多様化が生まれ、トイレに対する考え方も一概ではない。

大規模の現場では近年、女性の現場進出に伴う「職場環境の改善促進を目的」として、平成28年8月4日国土交通省”建設現場「快適トイレ」の取組~直轄工事は「快適トイレ」を基本とします!~”というトイレに関する取り組み是正がお上から通達されている。

昔はタンク式が主体だったものの、衛生環境改善による「下水管直結式」へと変わり、手洗い場の設置など、近年の大規模現場ではトイレ問題は大きく改善されている。

但し、下請け会社単位で週毎に持ち回る清掃が義務付けられ、本業以外での労働時間のロスが生まれている。
また、清掃が良くなければ、監督に注意されるのは勿論だが、他業種の職工達との関係も悪くなったりと、面倒が増えることには代わりがない。

昨今のコロナ禍での清掃は、ドアノブや水洗レバーへのアルコール消毒もあり、いっそのこと清掃業者を雇って欲しい状況ではないだろうか。

余談になるが、喫煙所のなくなった現場も多くなってきた。
更には現場全体で禁煙にしようとする動きすらある。そのため、駐車場の工事車輌の中で燻製になっている職人達を度々みかける。

また、大規模であっても改修の場合はタンク式が主流だろう。
マンションや工場の改修ではトイレを設置する場所に制約があり、足場や仮設事務所との兼ね合いで、どうしても優先順位としてトイレが最後になってしまう。
工場やプラントならば、社員が使っているトイレを借りられるが、マンション改修の場合はニオイの問題で住居から離れて設置するため、下水への配管が難しくどうしてもタンク式にならざる得ない。
タンク式は更にニオイがきついが・・・

次に戸建新築塗装の現場でも未だにタンク式の仮設トイレが主流だ。
しかも、造成の関係でトイレを置く場所が不陸になっている事が度々あり、アンバランスの中で事を行わなければならない。まるで船の中のトイレのようでもある。

更に朝、到着直後にトイレへ入ろうとすると、施錠されていることも度々ある。そうなると「絶望の二文字」が頭をよぎる。

元請の体制や監督の考え方もあるが、新築塗装の仮設トイレは千差万別で、トイレットペーパーを保険として握り締め、出陣する現場も少なくない。

トイレ問題では、大規模は恵まれており、その次が戸建新築ではないだろうか?

最下位は戸建塗り替え塗装の現場となるが、それには施主との関係性の変貌が大きく関わっている。

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二見勇治

著者:二見勇治 Futami Yuji

建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。