国内外のコロナ不況の状況
先ずは現在の国内の現状についてGDPから見てみよう。
2020年8月17日、内閣府が発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期(2020年1~3月)を大きく下回り、-7.8%。落ち込みの値としてはバブル崩壊(91~93年四半期平均-3.9%)よりも下げ率は大きく、リーマンショックをも上回る戦後最大のマイナス記録だ。
世界恐慌に匹敵する100年に一度の恐慌とまで言われている。
そして年率で換算すると、-27.8%。
建築塗装業界のみならず、日本の先行きさえもが心配だ。
※参考:2020年4-6月期・1次速報(2020年8月17日) 1.国内総生産(支出側)及び各需要項目
更にこのコロナ恐慌、パンデミック(全世界の感染症流行)によるダメージをIMF(国際通貨基金)の発表では、
「類例のない危機、不確実な回復」
と題し、凄いタイトルで公開した。
このGDP予測には当然日本も含まるのだが、数値を見て愕然とした。
※参考:IMF(国際通貨基金)IMF世界経済見通し2020年6月改定見通し
安心材料としては、上記IMF発表の日本の数値と他国の数値を比較すると、コロナ恐慌での日本の経済損失は先進国の中で一番少ない。
しかし翌年の2021年に注目して欲しい。
2021年予想のプラス度合いは先進国の中で最も低い割合になっている。
東京オリンピックが延期開催される年であっても、景気回復は小さい見通しだ。
もしかすると、予想としてオリンピック開催が無いとしているきらいもある。
つまり、「少し悪くはなるが、上がりもしない。」事を国際通貨基金に宣言されてしまった。
ここ、建築塗装業界で政治の話しをするのはやぶさかだが、あえてさせてもらいたい。
落ちないけど、上がらない要因はアベノミクス戦略の失敗による海外評価だ。
筆者は左翼でもないし、アナキストや社会主義派でもない。もの凄く情報を精査する立場を貫きたいと考えている。
つまり上がらないのは、経済政策の柔軟性が無く硬直した日本の停滞した経済活動にある。
まるで、空気の入っていないボールがフニャフニャなように、落ちても弾まない。
先進国の中で一番バウンドしない国。それが我がニッポンという見解だ。
現在アメリカではナスダック指数が史上最高値を駆け上がり、東証マザーズもそれに追従するかのように、総合指数が高値に上昇している。
両者ともオールド・インダストリー(重工業や素材、第一次産業などを指す経済用語)の低調によって、ITやバイオ・医療関連株のベンチャー系に投資が向きバブルのよう賑わいになっている。
しかしGDP全体で考えると不況には変わらない。
そして残念な事に、我らの塗料メーカーも旧工業、素材のジャンルにあり低調だ。
では我ら塗料メーカーの株価の現状を見てみよう。
しかし、この試みで思いがけない事が分った。
最後まで読み進めて欲しい。
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。