関西ペイント コロナ禍以降3度目の値上
企業努力の限界をはるかに超える状況
2022年8月17日、関西ペイント販売株式会社のプレスリリ-スが発表された。
これでコロナ禍以降、3回目の価格改定となる。
画像引用:関西ペイント株式会社 プレスリリース2022年8月17日
以下原文引用。
プレスリリース
2022 年 8 月 17 日
関西ペイント販売株式会社製品の価格改定について
関西ペイント販売株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:寺岡直人)は、塗料およびシンナー製品の価格改定を行いますのでお知らせいたします。
当社では、原材料価格の高騰や物流コストの上昇等を背景に、2021 年 6 月 22 日付け及び 2022 年 2 月16 日付けで製品の価格改定を実施いたしました。
しかしながら、依然として原材料価格は、コロナ禍からの経済回復に伴う世界的な需要増大、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー事情の悪化、EV 化に代表される様な産業構造の変化により塗料原料から DX 関連・EV 関連への用途変化による需給バランスの大きな崩れ、原油・ナフサの高騰、急激に進行している円安等により、更なる上昇が続いております。
当社といたしましては、大幅なコストアップが避けられない状況下において、生産性の向上や費用削減の徹底など、製品の安定供給の為に可能な限りの努力を続けて参りましたが、企業努力の限界をはるかに超える状況に至り、やむを得ず、下記の通り価格改定を実施することを決定いたしました。
記
1. 工業用塗料分野
① 価格改定時期
2022年10月1日より② 価格改定幅(値上げ)
塗料類 15~30%
硬化剤 15~40%
シンナー類 20~40%
※製品によっては改定率が上下することがあります。2. 汎用塗料分野
① 価格改定時期
2022年10月1日より② 対象分野、対象製品
分野、製品等、詳細につきましては、担当者よりご連絡致します。当社製品をご愛顧いただいているお客様には、ご迷惑をおかけいたしますが、諸事情をご賢察いただき、ご理解をお願いするものであります。
当社は、今後ともさらに技術開発に努め、品質とサービスの向上を図り、お客様にご満足いただける製品・サービスを提供するとともに、社会に貢献すべく努力を続けて参ります。
以 上
今回の値上げについては、汎用塗料(建築塗料)の何の商品を「何%の値上げ」と公言していないものの、前回の2022年4月以降の価格改定では、以下のような割合で価格が上昇した。
1万円の塗料の参考例。
【2021年8月20%値上げ】 10,000円×1.2=12,000円
【2022年4月30%値上げ】 12,000円×1.3=15,600円
2021年8月以前→2022年4月以降の価格差 1.56倍
※値上げ割合の参考数値。塗料の価格改定は商品ごとに異なります。
【2022年10月予想】
30%の値上げで設定 15,600円×1.3=20,280円
2021年8月以前との価格差 2.028倍
つまり、1年と2ヶ月で倍近くなる可能性が考えられる。
また恒例のことになるが、関西ペイントの価格改定の後に、他メーカーが続々と値上げを行う傾向にある。
工事価格の早急な見直しが必要なフェーズに突入しているのではないだろうか?
©︎PaintBiz By 二見勇治
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。