塗装用品最大手から突然の連絡
5月14日、ペイントビズに驚きの情報が入ってきた。
日本の塗装業界を揺るがす「一大事件」だ。
先ずは情報の裏付けとして、某塗料販売店へ大塚刷毛の営業マンが持って来た書面を掲載する。
こちらを読んでいただければ、事の重大さに気が付くだろう。
スクープはこの書面ではない。
文面としては、非常に丁寧に書かれた体裁だ。
しかし内容は驚愕に値する。
つまり、国内塗装業界の巨人、マルテー・大塚刷毛製造株式会社(以後:大塚刷毛)が直販ECサイトを本年6月に立ち上げるとの挨拶文だ。
以下原文
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2021年5月吉日
お取引先 各位
大塚刷毛製造株式会社
ECサイト開設のご案内
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のお引き立て賜り熱く御礼申し上げます。
さて、
かねてより遠隔地や異業種などの購入窓口がなくお困りのお客様か
弊社ECサイトはこれらの購入窓口となり、
つきましては、お取引様にご案内させていただきますとともに、
敬具
記
ECサイト名:マルテープラス
開設予定:2021年6月~
サイト:弊社専用サイト ●●●●●●●●●●
掲載品:刷毛、ローラー、容器(刷毛・ローラー用)等
以上
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引用:大塚刷毛製造株式会社「お取引先 各位」原文ママ
この事柄は塗装工事会社と塗料販売店では受け止め方が大きく違う。
塗装工事会社にとっては、
「だから?」、「ふ~ん、マルテーが通販するんだ~」となる。
しかし、塗料販売店にとっては一大事だ。
何故ならば、塗料販売店と大塚刷毛とは、「特約店」という制度があり、商習慣で繋がる暗黙のルールの基、大塚刷毛も特約店にのみ販売を行っている。
そして大塚刷毛の歴史は長く、2021年の現在では100年を越し、初開催のマルテー祭は1977年に行われていることから、塗料販売店とは40年以上もの間、密接な商いを行ってきた。
国内塗装業界の副資材ではトップブランド。
建築塗装のみならず、工業製品、自動車塗装、その他国内全ての塗装ジャンルで刷毛、ローラー、塗装機器、養生、容器などを扱う「最大手の塗装関連商社」が大塚刷毛のポジションだ。
現在、本施策の説明に各塗料販売店へ、大塚刷毛の営業マンが順次挨拶回りを行っている。
但し、まだ挨拶が済んでいないところも多くあると聞く。
ちょっと待って欲しい。
塗料販売関係者は本記事を最後まで読んだ後、大塚刷毛へ連絡するかの判断をお願いしたい。
次のページでは、大塚刷毛の営業マンが話した内容を記載する。
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。