塗装道具探求 皮スキメーカー Vol.1
刃物の町と皮スキ
金物工具には長い歴史がある。
日本古来の建築や手工芸品との関わりが強く、その工具として綿々と受け継がれてきた。
そのため、地域による産業と深く関わり現在まで発展を遂げている。
そこで取り上げるメーカーを地域ごとに分けて掲載したい。
最初に取り上げるのは有限会社ライフテック。岐阜県関市で事業を営むメーカーだ。
はじめにライフテックを紹介するのには理由がある。
ライフテックの会社所在地が岐阜県関市にあるからだ。
刃物の世界では3Sという言い方がある。それはドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェルフィールド、そして関市を示す。
関市は刃物産業では世界に名だたる土地柄、そこにあるメーカーだからこそ最初に取り上げた。
岐阜県関市
社名:有限会社 ライフテック
ブランド名:TEC TOOL(テックツール)
住所:岐阜県関市一本木町37-1
ライフテック社の特徴は、皮スキやヘラ、スクレーパーなどを中心としたラインナップで、扱うほぼ全てが建築関連の工具。
そして皮スキのバリエーションが非常に多い。
幅広から極小まで様々な刃先を取り揃えている。
上記画像にもあるように鍔(ツバ)が付いている皮スキもあり、この皮スキを腰袋から出せば、他の職人が「何それ?」と間違いなく食いついてくるはずだ。
会社の規模ではなく、地域による高い技術とライバルに負けない創意工夫が光るメーカーだ。
大きい会社に所属しているから、良い仕事ができる職人ではなく、その職人が何を考え、そして何を目指しているかによって仕事の出来不出来は変ってくる。
ペンキ屋諸君なら実体験でそれを分かっているだろう。
次のページも地域が関係している。
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。