《塗装道具探求》アシストスーツで塗装工事を効率化! Vol.1
《アシストスーツ》塗装の仕事を楽に、疲労と腱鞘炎の低減。
ペイントビズがお届けする、塗装用品や塗装用工具を深堀りする《塗装道具探求》。
今回はアシストスーツをピックアップ!
昨今、テクノロジーによる問題解決で平成時代では無かった、空調服や水冷服など人体の快適性(効率化)を向上させる製品が普及している。
特に空調服※1は、バッテリーの小型・長寿命化とモーターの小型・省電力化で生まれ、工事現場から爆発的にブレイクし日本発祥の革命的製品として今や全世界に普及した。
※1「空調服」は株式会社セフト研究所と株式会社空調服の文字商標。
発売当初は「見た目」がアレだと思ったが、一度着ると脱げなくなり夏場の現場で着用することが当然の製品で、スーパーゼネコンの制服にも採用されているほどだ。
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こういったテック系で生み出された製品の中に、日本語で言う「腰痛ベルト」・「骨盤ベルト」もある。
骨盤ベルトの起源は、医療用コルセットと重量挙げ選手の着用からはじまり、Xスポーツ系のモーグルスキーやエアリアルスキーなどグラビティ系のスポーツで普及し、その後に重量物を扱う作業者に広まった。今では、薄い幅広のゴムと伸縮生地、マジックテープ(面ファスナー)で腰を締め付け、腰廻りをサポートしている。
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この腰痛・骨盤ベルト、90年代中期から北米の工事現場・倉庫作業員・宅配便・空港の荷捌きスタッフ達の間で100%近く普及し着用したものの、日本では未だに現場での必着ではない。
但し腰痛持ちの人は、個人的に腰痛・骨盤ベルトを着用しているはずだ。
しかしココに来て、腰痛ベルト・骨盤ベルトの延長線にあたる、アシストスーツに注目が集まっている。
「でもアシストスーツって何?」、思われる方もいるので、本題のアシストスーツについて解説を行いたい。
アシストスーツとは、人間の身体をサポート・強化し、作業や活動を効率的に行う着用可能な外骨格デバイスだ。
別名では、パワードスーツとの呼び方もある。
パワードスーツの始まりはガンダム(1979年~)の元ネタ、SF小説「宇宙の戦士」(ロバート・A・ハインライン著-1959年)が起源といわれ、このパワードスーツがモビルスーツになった。
ガンダム以外ではエイリアン2・マトリックス・アイアンマンなどの映画やアニメで重要なモチーフとして登場している。
※アメコミのアイアンマンは1963年~
話しをアシストスーツに戻そう。
アシストスーツは、分類として大きく2つに分けられる。
1つ目は、バッテリー等の電力でモーターの動力で機械的な構造やアクチュエータ、センサーなどを備え、人体的な動作を増強する製品。
2つ目は、電力を使わず、バネやダンパーなどを利用しテコの原理を応用した製品。
今回の記事で取り上げるのは後者。工事に使える動力無しのアシストスーツを紹介したい。
現在アシストスーツは様々なメーカーから発売されているが、主に足腰をサポートする製品が多い。
上記の写真、キメキメのポーズで重さを感じさせない(ような)雰囲気だが、実は足腰と背中の負担が少なくなるだけだ。
腕や肩の負担は、軽減できない。
塗装工事では足腰は勿論だが、それよりも腕のや肩のサポートが重要に思う。
例えば、壁面や橋梁のケレンでベビーサンダー・ディスクグラインダーを一日中使ったり、吹付ガン・リシンガン(レナラック満タンで約5kg+ホース自重)を片手で持ったりと、肩や腕の負担は非常に大きい。
ところが現在販売されている動力なしのアシストスーツには、肩や腕のアシストをする製品が少ない。
ペイントビズが今回紹介するアシストスーツは、塗装工事のハードワークを想定して、腕や肩の負担低減に繋がるアシストスーツを提案したい。
作業の疲労や腱鞘炎を低減する、導入実績を紹介する。
それでは今回のアシストスーツ、株式会社ダイドーのTASK (タスク)の製品を紹介する。
因みに飲料水のダイドードリンコや、昔のパチンコメーカーのダイドーではないぞ。
製品紹介の前に、製造メーカーのバックボーンとアシストスーツの繋がりを伝えたい。
TASKシリーズを発売している株式会社ダイドーは、住宅関連部材・設備機能商品などを製造するメーカーだ。
大手住宅資材メーカーの建材や設備の下請け製造をメインで行いながら、自社ブランドとしてもダウンキャビネット・昇降棚(昇降式キャビネット)を製造販売している。
同社のアシストスーツは、自社技術のダウンキャビネット(吊り戸棚)金具の技術を応用し、テコの原理とダンパー等を発展させ、アシストスーツへ昇華した製品だ。
重いモノを軽く動かし、更にはコンパクト・高度な耐久性の技術を得意としている同社だからこそ成し得た製品といえる。
ペイントビズで今回紹介するアシストスーツは、安価で導入しやすく塗装作業の実績のある商品をピックアップした。
※建築塗装ではないが、吹き付け作業の事例を紹介。
商品名:TASK AR+(タスク・エー・アール・プラス)
この製品は全身というより、肘と前腕に特化した製品だ。
一見すると金具付きの膝サポーターのような雰囲気だがそうではなく、作業効率を上げるアシストスーツなのだ。
アシストスーツの導入実績として工事機器レンタルで有名な、アクティオで実際に導入されている。
アクティオといえば発電機や高所作業車、ユニックなど、工事関係者ならば一度は借りたことあるはず。
アクティオの補修部門の「塗装」でアシストスーツが使われている。
※引用:株式会社ダイドー
前腕の疲労に特化
前腕に適度な反力で常にアシストすることで、継続的な疲労を軽減します。
これまで“上腕“のアシストを行うTASK AR2.0・TASK AR TypeSの発売以来、ご使用者様から頂いた「前腕部分のアシストも欲しい」というお声を元に、前腕に特化したツールとして開発。腕の角度でアシストの固定・解除を切り替え
より重い物を前腕で支える際には、腕を伸ばして「ラッチ機構」をONにするだけで前腕を固定することが出来ます。
使用後は、肘を90度曲げることでラッチ機構がOFF。アシストは解除されます。【サポート可能な作業】
5kg程度の荷物の持ち上げ・運搬・保持などの長時間作業や、工具などを持ったままの繰り返し作業など、継続的な作業負担の軽減に貢献します。(※重いものを持てるようになる装具ではありません。)オプション装具として使用可能
単体での使用はもちろん、TASK AR2.0やTASK AR TypeSのオプションとしてご使用可能です。
腕をトータル的にサポートできます。
製品購入は、メーカーのオフィシャルでアマゾンで販売中。
購入金額 税込(2023年9月)
購入先:DAYDO 前腕アシスト装具 TASK AR+ 774559
この製品には動画があるので、そちらをご参照いただきたい。
購入金額 税込(2023年9月)
購入先:DAYDO 前腕アシスト装具 TASK AR+ 774559
アシストスーツの導入により、作業が楽になれば、作業効率の改善・重労働時の安全性・収益性が向上する。
是非とも導入を検討して欲しい。
次回、Vol.2も要チェック!
©︎PaintBiz By 二見勇治
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。