子供と読みたいペンキ屋さんの絵本
ペンキ屋という単語と表現
建築塗装に関する書籍は数あれど、多くが技術書で気軽に読める本は少ない。
また、それを子供達に伝える方法も難しい。
建築塗装に関わるユーザー達の多くにも、自身の子供がいるだろう。
中には孫がいる職人も多い。
今回は子供達に「ペンキ屋」を伝える本、絵本を紹介したい。
その前に「ペンキ屋」という単語の表現について前置きを行う。
なぜか知らないが、ある時期から「ペンキ屋」という言葉が差別用語になったと聞く。
なんでも「~~屋」というのは職業差別だと、誰かが言い出したからだ。それはテレビや新聞で始まったらしい。
筆者はペンキ屋生まれ、ペンキ屋育ちだが、「ペンキ屋」が差別用語だと聞いたことも、思ったことも一度も無い。
そしてある時期から「ペンキ屋」が塗装店や塗装会社に取って代わった。
まるで、いんちきマナー講師が捏造した、訳の分からないルールに踊らされていることに良く似ている。
例えば、日本酒のとっくりはお酌をするときに注ぎ口を使うと失礼になる、という出鱈目なマナーのようだ。
「注ぎ口が縁の切れ目を連想させるから、マナー違反」という根も葉もない嘘が、一時期世の中に出回った。
そしてとっくりメーカーや酒造メーカーでは、「そんなはなし聞いたことがない」「知らないし分からない」とその道のオーソリティー達もが否定をしている。
八百屋やそば屋、ラーメン屋、防水屋、足場屋、電気屋が差別用語だろうか?
そして残念なことに、ペンキ屋はNGで、「塗装店」や「塗装会社」が正しい表現だ、と言い切る人のほとんどは、ペンキ屋で生まれ育ったことが無い、またはキャリアが短いから自身で真実に対しての根拠が持てない。
だから誰かが言った、「ペンキ屋は差別用語」という表現を鵜呑みに信じるしかなく、「ペンキ屋」という歴史ある表現を捨ててしまった。
宣言するが、当サイト、ペイントビズでは「ペンキ屋」という表現を差別用語とは考えていないし、認めない。
親近感のある表現として「ペンキ屋」という言い方を使いたい。
また、このペイントビズに訪れる多くのユーザーたちは、塗装工事や建築塗装や塗料販売、塗料メーカーに関わるプロ達だ。
その仲間に対して「塗装会社は」とか、「塗装工事会社は」とかいう、回りくどい言い方は他人行儀になる。
だから「ペンキ屋」が仲間に使うように、「俺達の職業」として使わせていただく。
では、なぜこんな話になったかというと、今回の記事で紹介する「絵本」には、「ペンキ屋」という表現が多く使われている。
くどいようだが「ペンキ屋」は差別用語ではなく、「親近感のある職種を示す表現」だから、あえて本のタイトルにもなっている。
そういった部分を勘違いしないでもらいたい。
では本題に入り、絵本を紹介しよう。
最初に紹介する絵本のタイトルは「ペンキやさん」。
出版社 : 福音館書店
発売日 : 2013/6/15
単行本 : 36ページ
書籍紹介:
あっちゃんの家が大きな布で包まれました。いったい何がはじまるのでしょう?
家を包んだ布の内側で、ペンキ屋さんが作業中。ローラーがうごくと壁はみるみるきれいな色に変わっていきます。
あっちゃんは、ペンキ屋さんの道具や、着るもの、作業工程に興味津々。
ペンキやさんのお兄さんは、あっちゃんの質問にもひとつひとつきちんと答えてくれました。
巻末で、ペンキやさんの「道具」、「しごと(手順)」、「スタイル」を紹介。
非常にカラフルなタッチで、ペンキ屋を知る絵本として、楽しく子供達と読めるだろう。
そして、仕事の内容も紹介され、お父さん、お母さんの仕事を子達に伝えるには最適だ。
次のページでも別の絵本を紹介したい。
著者:二見勇治 Futami Yuji
建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。