ペイントビズ(PAINTBIZ)

建築塗装ロボット 国内編

国内建築塗装ロボットの事例

国内の建築用の塗装ロボットの事例としては、2020年11月16日鹿島と株式会社竹延が「建築用塗装ロボットの実用化」を行ったと発表。

壁面吹付塗装ロボットを実工事に初適用

イメージとしては、外部電源式のロボット台車の上に、エアレスと塗料缶、スプレーガンを移動させるアクチュエーターを備え、コンピュータ制御で一定の限定した壁面のみを塗装する機械だ。

引用:鹿島建設株式会社 プレスリリース【壁面吹付塗装ロボットを実工事に初適用

外見で判別できる仕様は以下のとおり。

エアレス  :ダイアフラムエアレスEX-700(アネストイワタ) 重量35kg
スプレーガン:エアレス自動ガンAL-96形
タッチパネル:三菱のグラフィックオペレーションターミナル「GT25ハンディ」。
アクチュエータ:ベルト電動アクチュエータ
一斗缶  :2本 重量約30kg
パワーユニット:外部電源式

台車上にあるメインの機器は、モノタロウやミスミでも購入できる汎用パーツの組み合わせだ。
アクチュエーターとガンを繋ぐブラケットや、一斗缶の周りを囲うフレームはワンオフだろう。

また、台車はオリジナルと見られセンサーで自動制御されている。

そして台車上の全ての機器重量は100kg以上にはなると推察できる。
こういった自走式のロボットのボトルネックとして重量が大きく関係してくる。
自重が重くなれば、筐体自体も堅牢にする必要に迫られ、更に重量が増す。

今回の機体は外部電源式のため、バッテリーの問題からは開放され重さの問題を回避している。
但し、建築途中の現場で、移動しながらの電源ケーブブルを取り回す難しさの問題は残っている。

また、鹿島&竹延の開発した今回のロボット、台車部分はセンサーで制御されているものの、ガンの部分ではセンサーで制御されているとは思えない。
なぜならば、海外の建築塗装ロボットは既にフル制御されている機体が多く、それらと比べてしまうとどうしても制御数の少なさを感じてしまう。

こちらについては次回、「建築塗装ロボット海外編」でお伝えしたい。

しかし、竹延では上記ロボット発表の以前に屋根塗装のロボット開発を行っており、今回の鹿島&竹延ロボットが始めての試みではない。

引用:ロボット活用ナビ

下方向へ向けての塗装ならば完成度が高くできるが、最初に紹介したような垂直の壁面の塗装となると、国内での建築塗装ロボはまだ完成度が低いように感じる。
まだまだ技術革新が必要ではないだろうか。

次のページでは別の事例を紹介したい。

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二見勇治

著者:二見勇治 Futami Yuji

建築塗装アナリスト
企画・取材・撮影・動画清作・ライティング・マーケティング 担当
東京都出身。建築塗装業の長男として生を受け、多くの職人達の中で育つ。塗装職人と造園職人の修行を積んだ後、カメラマンへ転身。出版社カメラマンを経て2001年よりフリーカメラマン。
雑誌・書籍・広告撮影、塗装関連の写真・動画制作、リフォーム会社広告担当を経験。
建築塗装の新たな表現を模索中。